【建設業許可の区分】特定建設業と一般建設業について解説
建設業の許可は、「特定建設業」と「一般建設業」に区分されています。
この違いはどのようなものなのでしょうか。
この記事では、特定建設業・一般建設業の許可が必要な場合と、この区分と混合しやすい「大臣許可」「知事許可」の種類分けとの違いについて解説します。
特定建設業と一般建設業
特定建設業許可は、発注者から直接請け負う1件の建設工事について、下請代金の額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる下請契約を締結して施工しようとする場合に必要となります。
下請代金の額は消費税込みの金額で、複数の下請業者に出す場合は、その合計額となります。
特定建設業許可は、下請負人の保護のために設けられているので、自ら請け負って施工する金額について制限はありません。
下請代金の額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)未満の工事であれば、一般建設業許可があれば足ります。
また、元請負人が下請負人に材料等を提供する場合であっても、その価格は含めません。
建設業許可事務ガイドライン
【第3条関係】
4.令第2条の「下請代金の額」について
発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、元請負人が4,500万円(建築一式工事にあっては7,000万円)以上の工事を下請施工させようとする時の4,500万円には、元請負人が提供する材料等の価格は含まない。
出典:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」
(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001581332.pdf)
建設業許可が不要な工事である「軽微な建設工事」に該当するか判断するときには、注文者から提供される材料の価格を加えたものが請負代金の額となりますので、この違いとの違いに注意が必要です。
軽微な建設工事の要件については、以下の記事を参考にしてください。
同一の業種で特定建設業と一般建設業の許可を受けられる?
特定建設業の許可を受けるには、一般建設業の場合と比べて厳しい要件が必要となっています。
そのため、同一の業種について、本店では特定建設業、支店では一般建設業の許可を取得したいと考えている建設業者の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、建設業の許可は建設業者ごとに受けるものであるため、同一の業種で許可区分を分けることはできません。
例えば、本店で特定の建築工事業、支店で一般の建築工事業の許可は受けられませんが、本店で特定の建築工事業、支店で一般の内装仕上工事業の許可を受けることはできます。
特定建設業・一般建設業と大臣許可・知事許可の組み合わせ
建設業許可は「特定建設業」「一般建設業」の区分があり、「国土交通大臣許可」「都道府県知事許可」の種類分けがされていて、以下のような組み合わせがあります。
- 一般建設業で都道府県知事許可
- 一般建設業で国土交通大臣許可
- 特定建設業で都道府県知事許可
- 特定建設業で国土交通大臣許可
これらは、どのパターンでも許可を受けることができます。
大臣許可と知事許可の違いについては以下の記事を参考にしてください。
大臣許可と知事許可は営業所の所在地によって分けられるのに対して、特定建設業と一般建設業は下請代金の額によって区分されています。