【建設業許可の基礎知識】建設業の定義と許可が必要な工事について解説
建設業法には「建設業を営もうとする者は、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければならない」と定められています。
建設業許可がない状態で建設工事を請け負った場合、建設業法違反となってしまう可能性があります。
しかし、すべての工事に建設業許可が必要なわけではありません。
この記事では「そもそも建設業とは何か」「どのような場合に建設業許可が必要なのか」について解説していきます。
建設業とは?
建設業法において建設業とは、「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」と定義されています。
「請負」とは、ある仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約をいいます。
つまり雇用、委任、委託などは請負に該当しないため、建設業には含まれません。
現実には報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約であっても「委任」や「委託」という名義を用いている場合があります。
この場合も建設工事の請負契約とみなされるため、「建設業」に当たります。
建設業法
(請負契約とみなす場合)
第二十四条 委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。
出典:e-Govポータル
(https://www.e-gov.go.jp)
建設業許可が必要な工事
建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業許可が必要です。
軽微な建設工事とは、建築一式工事の場合は、1件の請負代金が1,500万円(消費税込)未満の工事または請負代金の額に関わらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事のことをいいます。
木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもののことです。
建築一式工事以外の工事の場合は、1件の請負代金が500万円(消費税込)未満の工事のことをいいます。
注文者が材料を提供する場合はその価格及び運送費を加えたものが請負代金の額となりますので、注意してください。
また、一つの工事を複数に分割して請け負う場合は、各契約の請負代金の額の合計額となります。
工事を分割したからといって許可が不要になるわけではありませんので、軽微な建設工事に当たらない工事を請け負う場合は、建設業許可を受けましょう。
建設業法施行令
(法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事)
第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。
2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。
3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。
出典:e-Govポータル
(https://www.e-gov.go.jp)