【登録基幹技能者とは?】講習受講の要件や役割を解説
基幹技能者制度は、平成8年に専門工事業団体による民間資格としてスタートしました。
これが平成20年1月の建設業法施行規則改正により、新たに「登録基幹技能者制度」として位置付けられることとなりました。
同年4月以降に国土交通大臣が登録した機関が実施する登録基幹技能者講習の修了者は、登録基幹技能者として認められ、経営事項審査においても評価の対象となっています。
この記事では、登録基幹技能者の資格要件や役割について解説していきます。
登録基幹技能者の資格要件
登録基幹技能者になるためには、登録基幹技能者講習を受講する必要があります。
次の要件を満たすことで、講習を受講することができます。
- 当該基幹技能者の職種において、10年以上の実務経験
- 実務経験のうち3年以上の職長経験
- 実施機関において定めている資格等の保有 (1級技能士、施工管理技士等)
なお、登録基幹技能者講習を受講した方は、講習の種類に対応する業種において、一般建設業の専任技術者、主任技術者になることができます。
登録基幹技能者講習の種類と、それに対応する建設業の業種は、次のとおりです。
登録基幹技能者講習の種類 | 建設業の業種 |
---|---|
登録電気工事基幹技能者講習 | 電気工事業 電気通信工事業 |
登録橋梁基幹技能者講習 | 鋼構造物工事業 とび・土工工事業 |
登録造園基幹技能者講習 | 造園工事業 |
登録コンクリート圧送基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録防水基幹技能者講習 | 防水工事業 |
登録トンネル基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録建設塗装基幹技能者講習 | 塗装工事業 |
登録左官基幹技能者講習 | 左官工事業 |
登録機械土工基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録海上起重基幹技能者講習 | しゅんせつ工事業 |
登録PC基幹技能者講習 | とび・土工工事業 鉄筋工事業 |
登録鉄筋基幹技能者講習 | 鉄筋工事業 |
登録圧接基幹技能者講習 | 鉄筋工事業 |
登録型枠基幹技能者講習 | 大工工事業 |
登録配管基幹技能者講習 | 管工事業 |
登録鳶・土工基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録切断穿孔基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録内装仕上工事基幹技能者講習 | 内装仕上工事業 |
登録サッシ・カーテンウォール基幹技能者講習 | 建具工事業 |
登録エクステリア基幹技能者講習 | タイル・れんが・ブロック工事業 とび・土工工事業 石工事業 |
登録建築板金基幹技能者講習 | 板金工事業 屋根工事業 |
登録外壁仕上基幹技能者講習 | 塗装工事業 左官工事業 防水工事業 |
登録ダクト基幹技能者講習 | 管工事業 |
登録保温保冷基幹技能者講習 | 熱絶縁工事業 |
登録グラウト基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録冷凍空調基幹技能者講習 | 管工事業 |
登録運動施設基幹技能者講習 | とび・土工工事業 舗装工事業 造園工事業 |
登録基礎工基幹技能者講習 | とび・土工工事業 |
登録タイル張り基幹技能者講習 | タイル・れんが・ブロック工事業 |
登録標識・路面標示基幹技能者講習 | とび・土工工事業 塗装工事業 |
登録消火設備基幹技能者講習 | 消防施設工事業 |
登録建築大工基幹技能者講習 | 大工工事業 |
登録硝子工事基幹技能者講習 | ガラス工事業 |
登録ALC基幹技能者 | タイル・れんが・ブロック工事業 |
登録土工基幹技能者 | とび・土工工事業 |
登録ウレタン断熱基幹技能者 | 熱絶縁工事業 |
登録発破・破砕基幹技能者 | とび・土工工事業 |
登録建築測量基幹技能者 | 大工工事業 |
登録解体基幹技能者 | 解体工事業 |
登録圧入工基幹技能者 | とび・土工工事業 |
登録送電線工事基幹技能者 | 電気工事業 とび・土工工事業 |
登録さく井基幹技能者 | さく井工事業 |
登録あと施工アンカー基幹技能者 | とび・土工工事業 |
登録計装基幹技能者 | 電気工事業 管工事業 機械器具設置工事業 電気通信工事業 |
登録基幹技能者の役割
登録基幹技能者は、工事現場において次のような役割を担っています。
- 現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整等
- 現場の作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、作業手順等の構成
- 生産グループ内の技能者に対する施工に係る指示、指導
- 前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整
建設工事において生産性を向上させ、質の高い施工を確保するためには、工事現場で中核をなす職長等の果たす役割が重要です。
登録基幹技能者は、熟達した作業能力と豊富な知識を持つとともに、現場をまとめ、効率的に作業を進めるためのマネジメント能力に優れた技能者であり、上級職長などとして元請の計画・管理業務に参画し、補佐することが期待されています。