特定建設業の専任技術者と監理技術者に必要な「指導監督的実務経験」について解説

特定建設業の専任技術者は、一定の資格がない場合、一般建設業の専任技術者になるための要件に加えて、指導監督的実務経験が2年以上必要とされています。

また、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額の合計が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる場合に配置する監理技術者についても、この要件を満たしていなければなりません。

この記事では、特定建設業の専任技術者と監理技術者に必要な「指導監督的実務経験」について解説していきます。

特定建設業の専任技術者・監理技術者の要件

特定建設業の専任技術者になるためには、次のいずれかに該当していなければなりません。

  1. 建設業の種類に応じ国土交通大臣が定める資格等を有する者
  2. 一般建設業の要件に該当し、かつ、元請として4,500万円以上であるものに関し2年以上指導監督的な実務経験を有する者
  3. 国土交通大臣が1、2と同等以上の能力を有するものと認定した者

ただし、指定建設業(土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園)の場合は、指導監督的実務経験によって特定建設業の専任技術者になることはできず、原則として一定の資格が必要となります。

監理技術者についても、特定建設業の専任技術者と同じ要件を満たさなければならないこととされています。

指導監督的実務経験とは

指導監督的実務経験とは、建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

許可を受けようとする業種の建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上(平成6年12月28日前の建設工事にあっては3,000万円以上、昭和59年10月1日前の建設工事にあっては1,500万円以上)であるものに関して、2年以上の指導監督的実務経験が必要とされています。

下請での建設工事に関する技術上の経験や、設計技術者として設計に従事した経験は、一般建設業の専任技術者に必要な「実務経験」として認められますが、「指導監督的実務経験」とは認められません。

一般建設業の専任技術者に必要な実務経験については以下の記事を参考にしてください。

この「実務経験」と「指導監督的実務経験」のどちらとも認められる場合、その期間を重複して計算することは可能とされています。