【主任技術者・監理技術者との兼務は可能?】監督員・現場代理人の違いを解説

建設工事の現場には、さまざまな役割を担う人物が配置されています。

建設業許可を受けた場合に設置が必要となる主任技術者・監理技術者のほか、「監督員」や「現場代理人」が置かれる場合もあります。

この記事では、監督員と現場代理人の役割や、主任技術者・監理技術者との兼務は可能なのか、解説していきます。

監督員とは

監督員は、注文者の代理人として工事現場に設置され、次のような権限を有します。

  1. 契約の履行についての受注者または受注者の現場代理人に対する指示、承諾または協議
  2. 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付または受注者が作成した詳細図等の承諾
  3. 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査または工事材料の試験若しくは検査

建設業法において、監督員の設置は義務とはされていません。

ただし、監督員を置く場合には、「監督員の権限に関する事項」及び「監督員の行為についての請負人の注文者に対する意見の申出の方法」を、書面により請負人に通知しなければなりません。

なお、監督員を置かない場合、監督員の権限は注文者に帰属します。

現場代理人とは

現場代理人は、請負人の代理人として、工事現場の運営、取締りを行います。

請負代金の請求や契約の解除などを除き、契約に基づく請負人の権限を行使することができます。

監督員と同様、現場代理人の設置は義務とはされていませんが、公共工事の場合は原則として設置が必要です。

ただし、工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、発注者との連絡体制が確保されると認められる場合には、工事現場に常駐しなくて良いこととされています。

請負人が現場代理人を置く場合は、「現場代理人の権限に関する事項」及び「現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法」を、書面により注文者に通知しなければなりません。

主任技術者・監理技術者との兼務は可能?

監督員や現場代理人は、主任技術者・監理技術者と同様、工事現場に設置されます。

建設業法において、「建設業許可を受けた業種の工事を施工する場合には、主任技術者・監理技術者を置かなければならない」と定められています。

これに対し、監督員や現場代理人については設置が義務付けられておらず、主任技術者・監理技術者との兼務についても規定がありません。

そのため、監督員は注文者の主任技術者・監理技術者、現場代理人は請負人の主任技術者・監理技術者との兼務が可能です。

国土交通省の公共工事標準請負契約約款にも、「現場代理人、主任技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる」と規定されています。