下請業者へ見積りを依頼する際の提示内容と見積期間について解説

建設工事の元請業者が下請業者に見積りを依頼する際には、明確な内容を提示する必要があります。

見積期間についても「できるだけ早く」といったあいまいな設定をすることは許されません。

この記事では、下請業者に対する見積りの内容と、見積り機関について解説していきます。

見積りを依頼する際に提示すべき内容

元請業者が下請業者に対して、見積りを依頼する際に提示すべき内容は、建設業法によって規定されている請負契約書の記載事項から請負代金の額を除いたすべての事項とされています。

建設工事の請負契約書に記載すべき事項については、以下の記事を参考にしてください。

記載すべき事項の一つである「工事内容」については、次の項目を明示する必要があります。

  • 工事名称
  • 施工場所
  • 設計図書(数量等を含む)
  • 下請工事の責任施工範囲
  • 下請工事の工程及び下請工事を含む工事の全体工程
  • 見積条件及び他工種との関係部位、特殊部分に関する事項
  • 施工環境、施工制約に関する事項
  • 材料費、労働災害防止対策、建設副産物(建設発生土等の再生資源及び産業廃棄物)の運搬及び処理に係る元請下請間の費用負担区分に関する事項

なお、具体的な内容が確定していない事項については、下請業者に対してその旨を明確に示さなければなりません。

また、元請業者は、次の事象が発生するおそれがあることを知っている場合、請負契約の締結までに、必要な情報を提供する必要があります。

  • 地盤の沈下、地下埋設物による土壌の汚染その他の地中の状態に起因する事象
  • 騒音、振動その他の周辺の環境に配慮が必要な事象

見積りを行うために設けるべき期間

元請業者は、下請業者が見積りを行うために必要とされる一定の期間を設けなければなりません。

具体的な見積期間は建設工事の価格によって異なり、次のように定められています。

工事1件の予定価格見積期間
500万円未満1日以上
500万円以上5,000万円未満10日以上
5,000万円以上15日以上

この期間は、下請業者に対して契約内容を提示してから契約を締結するまでの間に設けなければならない期間とされています。

例えば、4月1日に契約内容を提示した場合、予定価格が500万円未満であれば4月3日、500万円以上5,000万円未満であれば4月12日、5,000万円以上であれば4月17日以降にならなければ契約を締結することはできません。

ただし、やむを得ない事情があれば、500万円以上の工事については、5日以内に限って短縮することが可能です。

なお、この見積期間は、下請負人が見積りを行うための最短期間であり、元請業者は下請業者に対し十分な見積期間を設けることが望ましく、追加工事等に伴う見積依頼においても、必要な見積期間を設けなければなりません。