【経審の加点対象】CPD単位取得数・技能レベル向上者数について解説

経営事項審査の社会性等(W)の審査項目には「建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)」という項目があります。

その中の「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W1-8)」は、CPD単位取得数と技能レベル向上者数を加点の対象としています。

この記事では、「CPD単位取得数」と「技能レベル向上者数」について解説し、W1-8評点の計算方法を確認していきます。

「CPD単位取得数」とは

CPD(Continuing Professional Development)とは、「技術者の継続教育」という意味です。

CPD認定団体が実施するプログラムを受講した技術者に対してCPD単位が付与される仕組みとなっており、継続的な教育を受けている技術者が評価されます。

ここでいう技術者とは「主任技術者若しくは監理技術者の資格を有する者」又は「1級若しくは2級技士補」のことをいいます。

各技術者のCPD単位取得数は、次の計算式によって算出されます。

CPD単位取得数 = 審査対象年に認定された単位数 ÷ 告示別表第18の数値 × 30

計算結果に小数点以下の端数がある場合は切り捨てます。

また、各技術者のCPD単位取得数の上限は30です。

「告示別表第18の数値」とは、CPD認定団体ごとに設定された数値のことで、以下の表の数値をいいます。

CPD認定団体数値
公益社団法人空気調和・衛生工学会50
一般財団法人建設業振興基金12
一般社団法人建設コンサルタンツ協会50
一般社団法人交通工学研究会50
公益社団法人地盤工学会50
公益社団法人森林・自然環境技術教育研究センター20
公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会50
一般社団法人全国測量設計業協会連合会20
一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会20
一般社団法人全日本建設技術協会25
土質・地質技術者生涯学習協議会50
公益社団法人土木学会50
一般社団法人日本環境アセスメント協会50
公益社団法人日本技術士会50
公益社団法人日本建築士会連合会12
公益社団法人日本造園学会50
公益社団法人日本都市計画学会50
公益社団法人農業農村工学会50
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会12
公益社団法人日本建築家協会12
一般社団法人日本建設業連合会12
一般社団法人日本建築学会12
一般社団法人建築設備技術者協会12
一般社団法人電気設備学会12
一般社団法人日本設備設計事務所協会連合会12
公益財団法人建築技術教育普及センター12
一般社団法人日本建築構造技術者協会12

「公益社団法人空気調和・衛生工学会」によって24単位認定された場合、CPD単位取得数は次のように計算されます。

24(認定単位数) ÷ 50(告示別表第18の数値) × 30 = 14.4
小数点以下の端数は切り捨てるため、CPD単位取得数は「14」

「一般財団法人建設業振興基金」によって18単位認定された場合は、次のようになります。

18(認定単位数) ÷ 12(告示別表第18の数値) × 30 = 45
上限である30を超えているため、CPD単位取得数は「30」

技術者ごとに計算したCPD単位取得数の合計を技術者の人数で割った数値が「技術者1人当たりのCPD単位取得数」です。

これを以下の表に当てはめることで、「CPD単位取得数の得点」を算出することができます。

技術者1人当たりのCPD単位取得数得点
3010
27以上30未満9
24以上27未満8
21以上24未満7
18以上21未満6
15以上18未満5
12以上15未満4
9以上12未満3
6以上9未満2
3以上6未満1
3未満0

CPD単位取得数の合計が100単位で技術者の数が5人の場合、得点は次のように計算されます。

100 ÷ 5 = 20(技術者1人当たりの単位取得数)
18以上21未満のため、得点は「6」

「技能レベル向上者数」とは

技能レベル向上者数とは、認定能力評価基準により受けた評価が、審査基準日以前3年間に1以上向上した技能者の人数をいいます。

建設キャリアアップシステムに登録された技能者の資格や経験をもとに能力評価を行い、技能レベルが向上した技能者が評価されます。

ここでいう技能者とは、審査基準日以前3年間に建設工事の施工に従事した者であって、作業員名簿を作成する場合に建設工事に従事する者として氏名が記載される者をいいます。

ただし、主任技術者・監理技術者として管理に係る業務のみに従事する者は含まれません。

「技能レベル向上者数の得点」を算出するためには、まず「技能レベル向上者数の割合」を計算する必要があります。

技能レベル向上者数の割合は、次の計算式によって算出されます。

技能レベル向上者数の割合 = 技能レベル向上者数 ÷ (技能者数 - 控除対象者数) ×100

「控除対象者」とは、審査基準日の3年前以前からレベル4の評価を受けていた技能者をいいます。

技能者が10人で、そのうち技能レベル向上者が1人、控除対象者が2人の場合、技能レベル向上者数の割合は次のように計算されます。

1 ÷ (10 - 2) × 100 = 12.5%(技能レベル向上者数の割合)

計算した技能レベル向上者数の割合を以下の表に当てはめることで、「技能レベル向上者数の得点」を算出することができます。

技能レベル向上者数の割合得点
15%以上10
13.5%以上15%未満9
12%以上13.5%未満8
10.5%以上12%未満7
9%以上10.5%未満6
7.5%以上9%未満5
6%以上7.5%未満4
4.5%以上6%未満3
3%以上4.5%未満2
1.5%以上3%未満1
1.5%未満0

技能レベル向上者数の割合が12.5%の場合、得点は「8」となります。

「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」の算出方法

経審における「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W1-8)」は、CPD単位取得数の得点と技能レベル向上者数の得点をもとに、次の計算式によって算出されます。

W1-8 = (技術者数 ÷ (技術者数 + 技能者数) × CPD単位取得数の得点) +
(技能者数 ÷ (技術者数 + 技能者数) × 技能レベル向上者数の得点)

この計算結果に小数点以下の端数を切り捨てた数値が、評点となります。

技術者が5人、技能者が10人、CPD単位取得数の得点が6点、技能レベル向上者数の得点が8点の場合、次のように計算されます。

(5 ÷ (5 + 10) × 6) + (10 ÷ (5 + 10) × 8) = 7.333…
小数点以下切り捨てのため、評点は「7」

W1-8評点は、0点から10点となるように設計されています。

経審の中でも計算方法が非常に複雑で理解するのが難しい項目ですが、点数アップにつなげていきましょう。

この記事を書いた人

阿部 功輝
阿部 功輝
行政書士阿部功輝事務所代表
建設業許可の専門家として申請手続をサポートいたします。